pH電極の校正
標準液の準備
- pH測定、制御運転を開始する前、或いは定期的に、必ずpH標準液によって校正を行い、電極の特性と計器の特性を調整する必要があります。これを標準液校正といいます。
- 被検液の予想されるpH値付近の標準液とpH6.86(25℃)の標準液を準備します。通常酸側の被検液を測定するときはpH4.01(25℃)とpH6.86の標準液を使用し、アルカリ側を測定するときは、 pH9.18(25℃)とpH6.86の標準液を使用します。
- 一度使用した標準液は正しい校正ができませんので廃棄し、新しい標準液を使用します。 (密封した標準液は、約1年間は使用できます。)
- 標準液の温度をできるだけ被検液温度に近く,且つ一定温度を保つことで正確な測定ができます。
粉末試薬による標準液の作り方
- ビン入り標準液もありますが、pH標準液用粉末試薬を用いると、.割安で経済的です。 500mlが入る容器に純水(蒸留水または、2μS/cm以下のイオン交換水)500mlを入れ、これに標準粉末試薬を一袋入れる。
- よく攪拌し約10分間で使用可能になります。(内部に粉末結晶残ってないのを確認。)
準備するもの
- 500mlビーカ2個
- pH6.86及びpH4.01(pH9.18)の標準液
- センサ洗浄用純水または水道水を入れたポリバケツ1個
- 温度計、ドライバー
手順
- 計器電源投入後15分位暖機してください。
- 電極先端の保護キャップを取り外してください。又使用されていて汚れている場合は、水道水などでよく洗い、標準液が汚染されないようにします。
- ポリバケツに蒸留水または水道水を用意し、電極先端部をそれに浸し15分以上置きます。
- ビーカー2個にpH6.86標準液、pH4.01(pH9.18)標準液をそれぞれセンサの先端が2cm位浸る程度に入れる。
- 標準液の温度を測定して、その温度におけるpH.の値をメモしておきます。(pH標準液の各温度での値は粉末標準液の袋に書いてあります。)
- スライドスイッチをCAL側にします。
- ポリバケツより電極を引き上げpH6.86標準液の入ったビーカーに電極の先端部を2cm程度浸し、ゆっくりと静かに数回攪拌します。計器の指示値が安定したら(1分前後)ZERO調整を付属のドライバーで静かにまわし、先にメモしたpH.の値に指示値が合致するように調整します。
- 次にポリバケツに入れた純水又は水道水で洗浄します。
- 水を切ってからpH4.01標準液の中に電極を浸けて、pH指示が安定したら(1分前後)、SPAN調整をドライバーで静かに回して先にメモしたpHの値に合致するよう調整します。
- 電極部を純水又は水道水に浸して洗浄し、以上の調整を2回以上繰返してください。 以上で校正は完了。
- 校正が完了したら、電極部をもう一度純水又は水道水に浸して洗浄し、被検液に浸してください。
- 被検液のpHを制御する場合はスライドスイッチをCONT側にしてください。